科学論文とインド風水ヴァーストゥとの一致

「排泄は北か南に向かって行う」


インド風水ヴァーストゥでは、「排泄は北か南に向かって行う」という原則があります。便器もそのように配置することになっています。

偶然の一致か、最近、イヌが排泄する時も体を南北に向ける傾向があるという研究結果が発表されました。

ロサンゼルス・タイムズ紙によると、調査を行ったのは、ドイツ・デュースブルク・エッセン大学とチェコ生命科学大学の生物学者。2年間にわたって37種類の犬70匹を対象に1893回の排便、5582回の排尿時の体の向きを観察したところ、磁界が安定している場合は南北の磁力線に沿うことを好み、太陽風の影響などで磁場が不安定な時はこの習慣が崩れたといいます。研究者は、イヌには地球の磁場を感じる能力があると結論づけています。報告書は英動物学専門誌フロンティアズ・イン・ズーオロジーに掲載されました。

このインド風水ヴァーストゥの法則との一致は、私には偶然とは思えません。


ウシやシカは地磁気を感じている


その理由は、今回の研究に関わったこのチームが、数年前にグーグル・アースの航空写真で、ウシやシカが休息時に南北の磁力線に沿って立つことを発見したチームだからです(詳しくは2008年10月のブログをご覧ください)。

より正確には牛などが向いていた方位を平均すると地軸の南北より少しずれた地磁気の南北に近かったそうです。チェコの例では2種類のシカについて現地調査し、草を食べたり休んだりしている時の向きや雪の上で寝た跡を調べた結果、過半数が北を向き、3分の1が南を向いていたとのことです。この研究者たちはその他の自然条件を考慮したとしても牛やシカが地磁気を感知している可能性が十分あることを指摘しています(大型哺乳類ではこのドイツとチェコの研究者の発見が初めだそうです)。

シカや牛の睡眠、消化(反芻)・休息時間の比率も消化(反芻)・休息が3分の2、睡眠が3分の1です。つまり、牛の場合は1日の約半分を消化・休息に、3~4時間を睡眠にあてています。もしかしたら、北を向くことと消化・休息、南を向くことと睡眠という関係があるのかもしれません(その方が自然でしょう)。

実は、インド風水ヴァーストゥでは「北に頭を向けて寝てはいけない」「南を向いて食事をしてはいけない」という原則があります。同じ大型哺乳類ですから、この研究結果と何らかの関連性を想像したくなります。


心地よい方位


ドイツとチェコの研究チームは「今まで牛飼いや狩人が気づかなかったのは驚きだ」と言っているようです。ただ、牛と特別な関係にあり、後年神聖なものとして扱い、かつ現代よりも身近に自然の法則を感じる機会の多かった古代インド人が牛のこうした性向を経験的に知っていて、これが人間にも当てはまることも知っていたのではないか、と仮説を立てることも出来るかもしれません。むしろその方が自然ではないでしょうか。

いずれにせよ、牛やシカにとって消化・休息によい方位が北で、睡眠によい方位が南であるかどうかの正確なところは、現在までの研究ではわかりません。しかし、牛やシカが無意識に北や南を向いているということは、彼らにとってそれが何らかの理由で心地よい方位であることは現時点の研究でもほぼ間違いないでしょう。

BBC
CBS


インド風水ヴァーストゥの法則は人間にも当てはまるかもしれない


それでは人間はどうでしょうか。将来は研究対象を人間にも広げてほしいですが、「意識」がある(強い)人間を対象に実証するのはかなり難しいようです。しかし、比較的大型の哺乳類である人間にも現代では忘れ去られているものの彼らと同じように無意識に心地よい方位があることが証明できたら素晴らしいことです。

仮にそれが事実としても、複雑な環境下にある人間にとっては極わずかな影響しかないかもしれません。しかし、それをうまくしかも毎日利用するなら、その蓄積による人生におけるポジティブな効果は計り知れません。「継続は力」と言いますから。

これまでインド風水ヴァーストゥについては、「おまじない程度のマイナー風水」と世間から言われても仕方がないと、正直、私は思っていました。しかし、以上のように、牛やシカに加え今回はイヌ(排泄の方位)までインド風水ヴァーストゥの法則との関係を想起させるかのような研究結果が発表されました。

実は私も牛やシカまでは半信半疑だったのですが、「犬の排泄の方位」についての研究成果によって、少なくともインド風水ヴァーストゥの法則の一部については、確信を持つに至りました。インド風水ヴァーストゥの「排泄は南に向かってする」「北に頭を向けて寝てはいけない」「南を向いて食事をしてはいけない」という原則は、科学的にも本当かもしれません。皆さんはどう思われますか。