北枕の根拠
「頭寒足熱」
現在までのところ「北枕がよい」という考え方を支持する臨床データや科学的根拠は存在していないようです。
「北枕がよい」という根拠の一つに「頭寒足熱」があります。これはひたすら住環境にもよりますが顕著な差異がみられるほど北向きに寝たからといって頭が冷え、足が暖かくなるなどということはありません(常識で考えましょう)。
科学的根拠はない
睡眠、消化(反芻)・休息中のシカやウシが地磁気の北や南を向いていることをもってして「北枕がよい」とする考え方も臨床データや科学的根拠はありません。チェコの研究では過半数が北、3分の1が南を向いていました。シカやウシの睡眠、消化(反芻)・休息時間の比率は概ね睡眠が1、消化(反芻)・休息が2と言われています。したがって、むしろ「睡眠は南枕の方がよい」とするのが自然ではないでしょうか(これにしても臨床データはまだありませんが)。ちなみにインド風水ヴァーストゥではいわゆる北枕は強く否定されています。
血液型性格占いにしてもそうなのですが、疑似科学には自分自身を含めて注意したいものです。
「食事の際、北を向く」
インド風水ヴァーストゥではいわゆる北枕は強く否定するほかに「食事の際、北を向く」という原則もあります。
この考え方を支持する臨床データや科学的根拠はまだ存在していないようですが、少し納得できる根拠もあります。それもまさに先に書いた「睡眠、消化(反芻)・休息中のシカやウシが地磁気の北や南を向いており、チェコの研究では過半数が北、3分の1が南を向いていた」ことなのです。
シカやウシの睡眠、消化(反芻)・休息時間の比率は概ね睡眠が1、消化(反芻)・休息が2と言われていますから、「睡眠は南向き、食事・休息は北向きがよい」とするのが少なくともウシやシカに限って言えば自然かもしれないからです(臨床データはまだありませんが)。
いずれにしても人間と同じ大型哺乳類であるウシやシカは地磁気を生活に活かしています。人間も地磁気を感じているデータもあるわけですから、生活に活かす意味で今後の研究が待たれます。