睡眠の重要性とインド風水ヴァーストゥ

睡眠と健康に関する厚生労働省の報告書


 睡眠と健康に関する厚生労働省の報告書で推奨されていることと、インド風水ヴァーストゥの原則の共通性について、再度、書いてみたいと思います。報告書の内容は昨年のブログをご覧になっていただきたいと思いますが、今回はそのポイントについてです。

 まず、報告書では現代人の睡眠の現状と課題を概説し、具体的には、次のように述べています。「近年、24時間社会の拡大により、国民の睡眠を取り巻く環境は大きく変化しましたが、ヒトは、日中に活動し、夜に眠るのが本来の生物学的な姿です。睡眠は、生活習慣の一部であるとともに、神経系、免疫系、内分泌系等の機能と深く関わる、生活を営む上での自然の摂理であり、健康の保持及び増進にとって欠かせないものです。睡眠不足や睡眠障害等の睡眠の問題は、疲労感をもたらし、情緒を不安定にし、適切な判断力を鈍らせるなど、生活の質に大きく影響します。また、こころの病気の一症状としてあらわれることが多いことにも注意が必要とされるとともに、近年では、特に無呼吸を伴う睡眠の問題は高血圧、心臓病、脳卒中の悪化要因として注目されています。また、事故の背景に睡眠の問題があることが多いことなどから、社会問題としても顕在化してきているところです」。


「健康づくりのための睡眠指針」


 その上で報告書は、「健康づくりのための睡眠指針」として7つの原則を推奨しています。インド風水ヴァーストゥと共通性が強い部分を抜粋すると以下のとおりです。

○ 快適な睡眠のための環境づくりとして、不快な音や光を防ぐ環境づくりや自分にあった寝具を使うなど工夫することが推奨されます。
○ ヒトの脳の中には、生体リズムをコントロールする体内時計がありますが、日光は、眼を通じて体内時計を刺激し、一日の行動に適したリズムを作ります。早起きが早寝に通じることはもちろん、目が覚めたら適度な日光を浴びるようにすることが快適な睡眠の確保につながります。なお、雨天・曇天でも、室内において、窓際の方が自然の光を取り入れやすいことがわかっています。また、休日に遅くまで寝床で過ごすと、晩に寝付きが悪くなり、翌日の朝がつらくなるので、注意が肝心です。

 つまり、私がインド風水ヴァーストゥで強調していることはまったくのまゆつばではなく、しっかりとした根拠があるのです。もちろん、繰り返しているとおり、インド風水ヴァーストゥの中には根拠がない部分もあるので、気になる方はその部分は無視すべきでしょう。

睡眠と照明


 ところで皆さんは「光」は眼だけで感じるものだとお考えでしょうか。実は違います。最近の研究で、人間は眼だけでなく、皮膚や細胞でも光を感じているのです。そして、それらも光の刺激によって体内時計のリズムを刻んでいる、それを統括しているのが有名な睡眠に大きな役割を果たしている「松果体」なのです(松果体と睡眠の関係はこれまで何度も述べていますので割愛します)。

 快適な睡眠のためには、エジソン以前の夜の暗闇を取り戻すことが必要です。人類の歴史は数百万年であるわけですが、現在のような生活環境になったのはわずか100年程度であり、当然ながら生体としてのヒトは急には人工的な環境に対応できるわけではないからです。

 したがって、日常生活、例えば照明などにおいてもできる限り自然な状態にすることが理想です。夜間の室内の照明は、昼光色の蛍光灯から電球色に変え、明るさも控えめにします。本を読む時はスタンドを使います。加えて、寝室にはパソコン、テレビやAV機器などはない方がいいでしょう。

 地球の周期が24時間であるのに対して、人間の周期は約25 時間であり、1時間の差があることは以前も書いたとおりです。まったく太陽と無縁の生活をしていれば人間の生活周期は、毎日1時間遅れていきます。

 この差をリセットするのが通常であれば朝の日光です。しかし、現代では、技術の進歩により、不規則な生活パターンとなり、太陽のリセット機能に期待することは次第に難しくなってきています。

 就寝前に強い光を浴びたり、パソコンなどをしていると、入眠しにくくなることあります。網膜から入ってきた強い光によって松果体がメラトニンの分泌を抑制するからです。このため、睡眠前は、光の量を控えることが重要です。同じ光でも昼光色ではなく電球色が好ましいとされています。

 まぶたを閉じていても光は入ってきます。したがって、部屋が明るいまま寝てしまうと、メラトニンの分泌が抑制され、熟睡できなかったり、すぐに目が覚めてしまうなどの不調が出やすくなります。これらは皆さんも多かれ少なかれ経験があるのではないでしょうか。

 実生活の中で毎朝、決まった時間に太陽光(あるいは相当の光量)十分に浴びることは一見簡単なようです。でも毎日継続して意識し、例えば暑い夏、寒い冬に毎日わざわざ屋外に出て日光を浴びることはできるでしょうか。

 休日ならともかく、忙しい平日にはあまり現実的ではないのでしょうか。飽きやすく無精者の私には少なくとも無理です。ましてや、精神的な問題を抱えている方の場合は苦痛以外の何ものでもないのではないでしょうか。

 つまり、朝の太陽を浴びることの大切さはわかってはいても実行するとなると大抵の方はなかなか難しいというのが現実でしょう。その点に関して、インド風水ヴァーストゥ(のエッセンス)は有効なのです。

 インド風水ヴァーストゥは、間取りやインテリアなどによって太陽光のメリットを最大限取り入れ、デメリットを排除する、という非常にプラクティカルなものです。

 屋内であれば天候や春夏秋冬にあわせてカーテンや家具の配置を調整することでメリット・デメリットを最適化できます。ですから、必ずしもわざわざ光療法のために高額な器具を買ったり、診療所に行く必要はありません。自然にこしたことはないのです。

 もちろん「インド風水ヴァーストゥ」などと仰々しくしなくてもそのような考え方を取り入れた間取りであれば別にそれはかまわないでしょう。